チャン・ドンゴン&コ・ソヨン夫妻の生きる道

チャン・ドンゴン&コ・ソヨン夫妻の生きる道

 2人の言葉通り、時々連絡を取り合うくらいの友人関係だったが、08年ごろ米国で偶然会ってからは特別な関係になった。8年ぶりの再会だった。コ・ソヨンは「久しぶりに会ったら見違えるほど大人になっていて心ときめいた」と話す。作品に恵まれず悩んでいたコ・ソヨンを「君だけじゃなくてみんなも悩んでいるんだから大丈夫だよ。非難の矢は的に当たったときだけ有効なんだ」と慰めた。そのチャン・ドンゴンも、8年ぶりに会っても以前と変わらず美しいコ・ソヨンを見てそわそわした。女は相手が見違えるほど変わったから、男は相手が全く変わっていなかったから恋に落ちたのだ。コ・ソヨンは「運命だったのでしょう」と話す。『恋風恋歌』のパク・テヨン監督はこの映画を「『愛している』という言葉が出てこない愛の映画」と説明する。愛という感情は「愛している」という言葉ではなく、交わされる視線や理解し合う心、優しい一言のようにささいだが繊細な感情の中にあるからだ。

 ドライでクールな恋愛を追求する女コ・ソヨンと、思いやり深く慎重な男チャン・ドンゴンのスタンスは結婚と同時に逆転した。付き合うようになってからは親友との飲み会を減らし、映画『友へ チング』(2000年)撮影時は1日3箱吸っていたタバコも減らしたというチャン・ドンゴン。結婚後は交際していたころよりももっと顔を見るのが難しい夫になった。『The Warrior's Way』(10年)、『マイウェイ12,000キロの真実』(11年)、『危険な関係』(12年)など海外ロケが多い大作に立て続けに出演したからだ。夫婦になってからも飛行機に乗るときは「別々に座ってそれぞれ気楽に帰ろうか」と提案するというクールな妻コ・ソヨンは、出産後たった1日だけ夫と一緒に過ごし、それ以降は子どもと2人きりで時間を過ごす専業主婦になった。コ・ソヨンの鼻筋とチャン・ドンゴンの肩、そして2人の感性をそのまま受け継いだ息子ジュンヒョク君は、母乳やママが作った離乳食ですくすく育っている。料理教室に通い、夫のために料理を作っていたコ・ソヨンは、息子の離乳食のために毎日4、5回買い物に出るそうだ。

■「光るものはいつも孤独だ」

 1972年に生まれた2人は92年にデビュー、2012年の今は共に40歳になり夫婦として暮らしている。もちろん、子どものころは近所で評判の美男・美女だった。チャン・ドンゴンは「女の子? 男の子?」といつも聞かれてコンプレックスになるほどだったし、同じころコ・ソヨンは「かわいい赤ちゃんコンテスト」で優勝した。92年のMBCドラマ『最後の勝負』のチャン・ドンゴンとKBSドラマ『明日は愛』のコ・ソヨンは各チャンネルを代表する大型新人だった。その後、トップの席から一度も下りることのなかった2人のスターは2010年に結婚。そして12年、夫は大作にばかり出演するというイメージがあまりにも重く肩にのし掛かかり「ソフトでユーモラスな役」を求めて12年ぶりのドラマ『紳士の品格』でお茶の間に帰ってきた。妻はトップ女優として生きるため1人苦しんだ心の傷や根も葉もないデマを消そうと、14年ぶりにトーク番組に出演した。

 「光るものはいつも孤独だ」と詩人は言った。光を放ち続ける孤独、1人でいなければならない寂しさをそっと理解してくれる存在は、ひょっとしたらこの2人にとってはお互いしかいなかったのかもしれない。

ユ・スルギ記者
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