手品にオンライン漫画、映画のPR方法が様変わり

▲(写真上)缶ビールを飲みながら進められた映画『酔いがさめたら、うちに帰ろう。』の対話イベント。(写真下)オンライン漫画『ヨンガシ』のワンシーン。/写真提供=映画会社ゾア、CJ E&M
▲ ▲(写真上)缶ビールを飲みながら進められた映画『酔いがさめたら、うちに帰ろう。』の対話イベント。(写真下)オンライン漫画『ヨンガシ』のワンシーン。/写真提供=映画会社ゾア、CJ E&M

 ソウル市鍾路区の映画館、CGV大学路で今月4日午後、アルコール依存症をテーマにした日本映画『酔いがさめたら、うちに帰ろう。』に関する「観客との対話」が行われた。観客たちは映画評論家のキム・ヨンジン氏、建国大医学部神経精神科のハ・ジヒョン教授とともに「主人公の幻覚は酒とどんな関係があるのか」など、登場人物の心理を考えていた。一見すると、一般的な「観客との対話」と変わらないが、出席者たちの手には缶ビールが握られていた。イベントを企画した映画制作会社ゾアは「映画のメーンテーマとなる酒をPRイベントに活用し、関心を集める戦略だ」と話す。

 広告が中心だった映画のPR方法が、様変わりしている。映画のメーンテーマを際立たせたり、手品やオンライン漫画などさまざまな分野と組み合わせたりするなど、異色のプロモーション・イベントが増えている。

 12日に韓国で公開されたホラー映画『2つの月』は、観客55組を招待し「13日の金曜日上映会」を開催した。ホラーという映画のコンセプトを際立たせるため「13日の金曜日」という素材を活用したというわけだ。また、容姿が似た皇太子と奴婢(ぬひ)が入れ替わるというコメディ映画『私は王である』(8月初め公開予定)は、作品のPRに手品の力を借りている。ソウルの延世大学100周年記念館で20日、マジシャンのチェ・ヒョンウ氏とともに映画のプロモーション・イベントを行うという。

 人を殺す寄生虫を扱った映画『ヨンガシ』の投資・配給会社CJ E&Mは、公開前の今年5月、同名のオンライン漫画を公開した。人気漫画家ホラン氏の漫画がネット上に掲載された直後から、「ヨンガシ」は連日ポータルサイトの検索ワード上位にランクインし、映画は公開から11日で300万人以上を動員した。CJ E&M映画部門のイ・チャンヒョン広報チーム長は「ネットの発達などで観客が接することのできる情報量が増えたため、マーケティングやPRイベントも目新しいものが好まれるようになっている」と語った。

 こうした状況に対し、漢陽大学文化コンテンツ学科のキム・ヨンジェ教授は「マーケティング・広報の成功はユニークさよりもテーマに懸かっている。テーマが観客の望むもの、映画が見せようとしているものに一致していなければ、少し関心を引くだけで終わってしまうだろう」と話している。

李永民(イ・ヨンミン)記者

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