「韓国系俳優たちの活躍、情熱の血ゆえ」

米人気ドラマシリーズ『LOST』で注目浴びたダニエル・デイ・キム

 記者が「英語が苦手なので通訳に来てもらいました」と言ったところ、彼は「私も韓国語ができないから大丈夫ですよ」と答えた。米国の人気テレビドラマシリーズ『LOST』(2004年-10年)で演じた役とは違い、滑らかなイントネーションの韓国語だった。麗水世界博覧会(麗水エキスポ)の米国側文化使節として来韓した韓国系米国人俳優ダニエル・デイ・キム(43)=韓国名:キム・デヒョン=に3日、ソウル市竜山区のホテルで会った。

 ダニエル・デイ・キムは釜山で生まれ、2歳のときに家族で米国に移住した。1994年の映画『アメリカン少林』の端役でデビュー、その後も映画やテレビで脇役を演じていたが、ヒットした韓国映画『シュリ』でヒロインを演じた女優キム・ユンジン(38)との韓国人夫婦役で人気ドラマシリーズ『LOST』に6シーズン出演、注目され始めた。現在は1960-70年代に放送された『Hawaii Five-0』の同名リメーク版(CBSテレビで現在放映中)で元刑事チン・ホー・ケリーを演じている。「『LOST』を経て、約20年間の俳優生活で初めて世界の舞台に立てるようになりました。『Hawaii Five-0』でメーンキャストが演じられるようになったのも、全て『LOST』のおかげ」と語った。

 しかし、ダニエル・デイ・キムにとって『LOST』はいい思い出ばかりではないようだ。「米国の人気ドラマでセリフが韓国語だけの登場人物は初めてという自負はありましたが、韓国人視聴者の反応を知ってとても傷つきました」。シリーズ開始当初、韓国人視聴者たちはインターネットなどでダニエル・デイ・キムのたどたどしい韓国語を問題視したが、それで傷付いたというのだ。「6-7歳のときから、英語に早く慣れようと韓国語を使いませんでした。学校に行っても(ほかの子とは)顔つきが違うし、英語ができないとからかわれたのです。韓国の皆さんの『LOST』評が私の韓国語にばかり集中していたとき、英語でからかわれた当時のことを思い出しました」

 ダニエル・デイ・キムは『グレイズ・アナトミー 恋の解剖学』でクリスティーナ役を演じたサンドラ・オーらと共に、北米では成功をつかんだ韓国系俳優と言われている。しかし、そのダニエル・デイ・キムも「最初は苦労しました」と語った。「脚本家のほとんどはアジア系俳優のことを考えずに台本を書くため、オーディションになかなか通りませんでした。まれにアジア系が対象のオーディションがあっても、米国だけでなくアジア中から集まった俳優たちと激しく競い合わなければなりませんでした」

 そうした経験があるからか、テレビシリーズ『ウォーキング・デッド』(10年-)のスティーヴン・ユァン、サスペンス映画『ディスタービア』(07年)のアーロン・ヨーなど韓国系俳優たちによる近年の活躍を「なかなかないこと」と言う。「血筋に流れる情熱が韓国系俳優たちをほかとは差別化しているのだと思います」

 また、パク・チャヌク監督(『ストーカー』)、ポン・ジュノ監督(『雪国列車』)などが相次いでハリウッドに進出していることについても「才能は国境を越えます。韓国人監督たちは韓国的な視角で全く新しい映画を作り出しています」と期待した。そして「カン・ジェギュ監督のような韓国のトップクラスの監督と、スティーブン・スピルバーグ監督の間に、質的な違いは全くないと思います。激しい暴力にコメディーを結びつけるなど、米国にはなかった新ジャンルを作り出すというのも、韓国映画の驚くべき特徴」と語った。「個人的には『冬のソナタ』『私の名前はキム・サムスン』などのドラマも印象深かったし、映画ではパク・チャヌク監督の『オールド・ボーイ』など復讐(ふくしゅう)3部作が好きです」

 今後はスペシャルオリンピックス(知的障害者のための国際スポーツ大会)のPR大使として活動する。「スペシャルオリンピックスに関心があり、2年前にボランティアを申し込んだところ、最近になって組織委員会からPR大使のオファーを受けました。韓国大会(13年、平昌)では特に私にできることが増えると思います」

李永民(イ・ヨンミン)記者
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  • ▲3日、ソウル市竜山区のホテルで会ったダニエル・デイ・キムは「アジア系米国人俳優と、アジアから来たスターたちの活躍のおかげで、米国でも近くAクラスの主役を務めるアジア出身のスターが誕生するだろう」と語った。/写真=イ・ミョンウォン記者

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